みなもと太郎『風雲児たち(1)』
この作品を読んで、それまでに読んだ歴史小説や歴史書では出会ったことがない「歴史観」に出会ったし、マンガ家さんの調査力とか洞察力ってスゴいなぁ~と、遅ればせながら思ったのであった。
で。能を少しずつだが楽しめるようになってきたのもまた、マンガ作品との出会いがきっかけだったので、「すぐれたマンガ作品に出会ったら、それまであまり得意じゃなかったり、とっかかりがつかめなかったモノの敷居が下がるんじゃないかな?」と思ったのだ。
日本の芸能っていうのも、一般的には、敷居が高いものの部類に入るといって、いいだろう。
日常生活がすっかり、欧米化してしまった現代では、それも、ある意味当然のこと。
わたしは、歌舞伎は、わりとすんなり見ることができたのだけれど「お能は結構、敷居が高かったなぁ、自分にとっては」と思う。
大学の卒論で、お能にも若干関係するテーマを取り上げたので、学生時代とその後、数回は見たことがあったし、立原正秋の小説が好きだったので、イメージとしての「能」というのは、あったのだけれど、実際に能楽堂へ足を運んで舞台に接してみると、「うーん、よくわからん!」というのが、正直なところだった。
20代からの念願だった、歌舞伎囃子の稽古を始めて、師匠とお稽古の合間に雑談をしているうちに、「これは、能の囃子についても知らないと!」と思ったものの、どんな舞台を見ればいいのかもよくわからず、とりあえず、うちの流儀と関係の深い囃子方の人間国宝の先生の舞台を見てみることにして、チケットを入手して見に行った。
比較的最初の頃に、金春惣右衛門先生と亀井忠雄先生が出ていらした「石橋」連獅子を見たのは、大きかったと思う。
お二人の囃子の芸にすっかり圧倒されて、しばらくは見たい囃子方メンバー(上記お二人の他、小鼓の大倉源次郎先生、笛の一噌仙幸先生など)の舞台を探しては見に行っていた。
そんな時に出会ったのが、成田美名子さんの「花よりも花の如く」というマンガ。
成田美名子『花よりも花の如く(1)』
現在第7巻まで単行本化されている。
長らく少女マンガを読んだことがなかったので、成田さんのお名前は、まったく知らなかった。
ただ、作品を描くにあたって、成田さんがかなり能をご覧になっているであろうことは、伝わってきた。そういう作者の真摯な姿勢が好もしく思えた。また、主人公が連載スタート時は書生で、いろんな役演じ、また披きを経験して、独立するという、能楽師としての成長ストーリーは、能初心者にも共感しやすく、読みやすく、すっかりハマってしまった。
その後、この連載のもとになった「Natural」の11巻も購入したw
そうこうしているうちに、囃子以外の要素にも、目と耳が行くようになったものの、「仕舞」はよくわからないし、謡の詞もイマイチ聞き取れない。
これはやはり、お稽古してみた方が、より楽しめるのかも!と思い始めたところで出会ったのが、われらが柴田稔先生の「短期能楽教室」。
能を見始めた頃から、ネットで検索して、能楽師の方、能をよくご覧になっている方のBlogやサイトは拝見していたのだけれど、柴田先生のBlogもその一つだった。
ご自分がシテをなさる曲のほかに、日々の舞台についての解説やちょっとした裏話などを、写真を交えて紹介して下さるので、「あ、あれはそういうことだったのか!」という気付きをたくさんいただいていた。
そこに「短期能楽教室」の生徒募集の文字が! お稽古してみたいとは思い始めたものの「いきなり個人稽古はちょっと敷居が高いなぁ~」と思っていたので、とてもリーズナブルな参加費でグループレッスン&銕仙会のお舞台での発表会というのは魅力的だわ!と。
成田さんが「花よりも花の如く」を描くのに協力されているのが、主に銕仙会の皆さんだったというのも、後押しとなり、メールで受講申し込み。
気がつけば、1年半、楽しくお稽古を続けているというところ。
お稽古を始めてみると、以前は退屈に感じてしまった仕舞が、楽しくなった。仕舞を見る時のポイントが、なんとなくわかってきた気がする。また、自分が知っている型が出てくると「あー、この間出てきた型だわ!」みたいなことも考えるようになってきたし。
また、謡の詞も少しずつ、聞き取れるようになってきた。お稽古していただいた曲はある程度は覚えているということもあるのだけれど、それ以外の曲でも聞こえてくるようになるのが、不思議。耳が慣れてきたのかな??? もっとも、観世流以外は、聞き取れないことも少なくないけど(汗)。
成田さんの「花よりも花の如く」に出てきた曲は、わりあい初心者にもわかりやすくて、見所がはっきりしている曲が多いので、これを読んでから、その曲が出る会を見に行ったりするのも、よいかもしれないなぁと思う。
ちなみに、最近は歌舞伎役者が主人公のマンガもある。
たなか亜希夫・デビッド宮原『かぶく者(1)』
現在、第5巻まで単行本化済み。
これが現実離れしているといえばいえるのだけれど、結構、「この人のモデルは、あの人?」と推理するw楽しみもあったりして、単行本が出るたびに購入して読んでいる。
政治や経済、外交も、いいマンガがあったら、もっと身近に感じられそうだし、基礎知識は得られそうだなぁ。
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