メイキングもありました。
Moleskineって、ほんとに好きなように使うToolなんだなぁと、改めて感じました。







という記述。穴空き銭の形が、鳥の目に似ているところから、鳥目というP.188
江戸時代の銭貨は円形方孔、つまり丸い銭に四角の孔があいていた。これが鳥の目に似ているところから金銭のことをお鳥目といった。
「鳥目絵の世界」P.117今の穴あき銭は、丸い形に丸い孔が空いているけれど、たしかに、写真や博物館の展示で見たことのある江戸の銭貨は、四角い孔が空いていたな・・・。
ところがその下に絵がつくと、これまた意味が変わってくる。鳥目絵。文字通りバーズアイの俯瞰図のことだ。
さて、鳥目絵といって、誰でも思いたるのが広重『江戸名所百景』の「深川洲崎十万坪」だろう。
(略)
その眺望をもっと遠大にすると北斎「東海道名所一覧」のような鳥目絵になる。
(略)というふうに、鳥目は鳥目でも、こちらは鳥の目で描いた絵の話に発展してしまった。
師宣の「東海道追分間図絵」は現実の遠近関係を無視してまで海道筋の名所旧跡を派手に際だたせている、地図というよりその名の通り「図絵」だ。
「鳥目絵の世界」P.117-118
春画と鳥目絵の同一視、もしくは対応関係は、一見突飛な思いつきと思う人もあるかもしれない。しかし、ひょっとすると、鳥目絵の本質はここにこそ露呈しているかもしれない。春画においては、秘部をことさら強調して描かれる。それは「見たいものだけを描く」という鳥目絵の特徴に通じている、というのだ。
人体(小宇宙)と山水(大宇宙)の対応と同一視。古来からの鳥瞰図は透視図法の未熟の産物ではなくて、むしろカッコとした宇宙・世界観の表現だったとわきまえるべきだろう。
「鳥目絵の世界」P.120
道教の胎生図たる内経図そっくりであり、さらには北斎や吉田初三郎の秘密くさい開口部がエロティックな窪みを形作っている山岳鳥瞰図にも酷似している。パノラミックな鳥瞰図が収斂していく先は、おそらく洋の東西を問わずに、胎生空間であるらしいのだ。たしかに、春画の構図のグロテスクなまでのアンバランスさ、というのは、「見たいもの」を強調しているのであり、山岳鳥瞰図にも似ている、というのにも、頷けるなぁ~と思った。
「鳥目絵の世界」P.122
十一代目市川海老蔵という役者に出会うことによって、僕自身、大きく変わりました。と書いている。
たとえば、歌舞伎にたいする考え方です。
歌舞伎をまったく知らなかった僕は、歌舞伎をすごく限定的なエンターテインメントだと考えていました。
(中略)
でもじっさいにはぜんぜんちがっていた。歌舞伎という芸能はまだ生きているし、成長を続けている。市川海老蔵は新しいチャレンジをしようとしているし、そのチャレンジによって四百年という長い歴史に、新たな一ページを刻もうとしている。
これは僕にとって大いなる発見であったし、「出会い」がもたらした大きな変化でもありました。
P.3-4
「團十郎」は世襲で伝えられているわけですが、待っていれば転がり込んでくるものではない。役者としての充実はむろんのこと、それにふさわしい精神性を要求する「名」なのです。さらに、修行については、こんなことを。
P.81
マンガ原作者として、また、小説家としてたくさんの仕事を抱え、締め切りに追われる樹林さんを、それまでほとんど触れてこなかった歌舞伎の原案作りという新しい仕事に誘い込んだのは、初対面の海老蔵さんが、金丸座の楽屋で発した次の言葉だったという。
歌舞伎役者は小さなころから、歌舞伎を演じるためだけに、長い年月をかけて営々と素地をつくります。言葉は悪いけれども、洗脳に近い教育を受けるわけです。そんな驚くべき修行を積んだ人間だけが、歌舞伎役者になる。
(中略)
伝統芸能の世襲は、重荷のリレーだ、と僕は思います。
受け継ぐものは、何百年もかけて培われてきた「芸」であり、「名」です。「財産」や「地位」ではない。たやすく受け止められるものではなく、子どものころからわけもわからず「芸」を叩き込まれ、バトンを受け取る準備を営々と行ってきた人間だけが、「名」を引き継ぐことを許される。
P.84-85
そして、素人にできるのは「まねごと」だけであり、
歌舞伎の本質は、そういった「かたち」の中にはないのです。小さなころから叩き込まれ、磨き上げられた役者の素地と精神性。その中にこそある。
P.87
彼はあの射るような眼で僕を見つめながら、こんなことを言いました。
「樹林さん、歌舞伎って、いろんな縛りがあって、できないことだらけだと思ってませんか」
(中略)
「そんなことないんです。歌舞伎は、しようと思えばどんなことでも表現できるんです。できないことはなにもないと思って、ストーリーを考えてみてくれませんか」
(中略)
「歌舞伎だと思って書く必要はありません。ふだん樹林さんが書かれている、マンガのシナリオだと思って書いてください。残念ながら、今、歌舞伎の現場には、おもしろいストーリをつくれる人がいない。そういう人材は、マンガやアニメ、ゲームなどの、今いちばん勢いのあるエンターテイメントの現場にいるんだと思っています。僕はそういう人と仕事がしてみたいんです」
P.36-37
歌舞伎って本来、新作をやるものだったんですよ。江戸時代には毎年毎年、新しい演目が演じられていたんです。でも、今はそうじゃなくなってますよね。古い演目を繰り返し演じるものになってしまっている。もちろん、古いものを大事にすることも大切なんだけど、それだけじゃダメなんじゃないか、と思っていたんですよ。新しいことをやっていかなきゃいけないんじゃないかと。
P.162
4. うち劇場部分の概要
客席数 現存(第四期)と同程度を想定 【参考:現存は1,859 席 一幕見席除く】
桟敷席、1 階席、2 階席、3 階席、一幕見席
舞台寸法 現存(第四期)と同程度を想定
【参考:現存は間口27.5×奥行20.6×高さ6.3m】まだ、「想定」という段階なので、これで、存続決定!と喜ぶのは早いのだけれど、現段階での計画に入っているということだけは確認できて、松竹さん、歌舞伎座さんが、ファンの声を聞いているようで、ちょっとだけ安心した。
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