毎回視聴する、というほど熱心なファンではないが、時々興味のあるテーマだと見ている「
爆笑問題のニッポンの教養」(以下「爆問」と略す)。10月21日は河竹登志夫さんをゲストに迎えて、歌舞伎がテーマとのことで、見ていた。
河竹先生の著書
河竹登志夫『
作者の家 第一部』(岩波現代文庫)
『
河竹登志夫歌舞伎論集』
見ながらTwitterに要旨をUPしたので、そのログをもとに、まとめてみる。
歌舞伎座前から Na)歌舞伎座は2010年5月から建て替えに入る。
田中「今日たずねるのは、歌舞伎に関係ある方=河竹登志夫先生。ご先祖様が歌舞伎作者」
黙阿弥の写真 Na)幕末から明治にかけて活躍した天才歌舞伎作者。
VTR「白浪五人男」稲瀬川勢揃いの場(團十郎さん、菊五郎さん)
VTR「三人吉三」大川端の場(時蔵さん) 「こいつは春から縁起がいいわえ」
Na)数々の名台詞を残した。
VTR「古式手打式」にて演目を読み上げる河竹先生
VTR「寿曽我対面」三津五郎さまの五郎!w
河竹先生を訪ねる爆笑問題 研究室? デスクの上にはカエルのコレクションの一部
23:04 河竹先生は、カエルがお好き #kabuki #nhk
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河竹「自分は、両生類みたいな生き方をしてきたなぁと思う」
23:06 天覧歌舞伎の解説をつとめ、早稲田大学名誉教授。比較演劇学を開拓。河竹「はじめから難しい、遠いものだと思わず、とにかく見てみよう!」 #kabuki #nhk #
23:07 太田「学校から言われて、歌舞伎座に見に行ったけど、途中で抜け出していた。あの時代、アングラが面白かった」 #kabuki #nhk #
23:08 河竹「小劇場は、面白かった。歌舞伎と同じ。西洋流のリアリズムではありえない」
歌舞伎は交流である
幕がない=出雲の阿国がそうだった。
「歌舞伎や小劇場というのは、垂直に来るけど、西洋リアリズム演劇は水平」 kabuki #nhk #
VTR「勧進帳」花道の飛び六法
23:09 河竹「テレビとは違う、生の交流がある。今は鑑賞するものになっているけれど、昔はひとつの生活の場。錦絵を見るとよくわかる」 #kabuki #nhk #
VTR「菅原伝授手習鑑」車引 松緑
23:10 河竹「客が率直だったから、よければ褒めるし、よくなければ物を投げたり騒いだりする。そういうお客を黙らせ、自分の芝居を見せるには、力がいる。今の歌舞伎は、そういう行儀の悪いお客との交流によってできた」 #kabuki #nhk #
河竹「行儀の悪い客によって作られた。大衆的なエンターテイメントだった」
太田「われわれにとっては、能・狂言・歌舞伎を一くくりに見てしまうが、それぞれはまったく違う? 歌舞伎はその中でも、特に自由だった?」
23:11 河竹「歌舞伎ぐらい、どん欲な演劇はない」#kabuki #nhk #
VTR「スーパー歌舞伎 新八犬伝」
23:12 太田「学校とは、いつもぶつかっていた。もっとダイナミックなものをやりたいと思っていた。自分の感情に近いものを表現したかったが、演技論を読むと、必ず型を学べと書いてあった。形を学ぶことで、心は後から入って行くと」 #kabuki #nhk #
VTR「王貞治の1本足打法」!
23:13 太田「われわれは、型のためにやっているのかな? 型になものを作らなくては残らないのかな、と思う」 #kabuki #nhk #
23:14 河竹「指1本が型になり得る。役柄の年齢が表せる、それが歌舞伎の一番の特徴かもしれない」 #kabuki #nhk #
VTR「勧進帳」花道の飛び六法(團十郎さん)
23:17 河竹「型の一番の特徴は、死そのものを美化しようとする。残虐な場面が、それが一番顕著。忠臣蔵五段目は典型的な例。鉄砲で撃たれて死ぬ時の死に方が、役者の一番の見せ場。いかにいい形で死ぬところを見せるか。初代仲蔵が作った方」 #nhk #kabuki #
河竹「海外でも殺し場はあるけれど、唯物的に殺してしまう」
太田「殺しを美化する、それは確かに日本的だな」
河竹「忠臣蔵五段目の定九郎」
VTR「仮名手本忠臣蔵」五段目山崎街道(團十郎)
河竹「猪が来たので驚いて、一旦隠れて、出てくると、勘平に撃たれる。いかにいい形で死ぬかという。これは、初代中村仲蔵が作った型。初めて座頭役がやる役にしてしまった」
23:17 太田「今のを見ると、拍手を送ったり声をかけたくなる。外国の人から見ると不思議だろうな」 #kabuki #nhk #
VTR「女殺油地獄」(仁左衛門さん、孝太郎さん)
23:18 太田「日本人がずっと抱えている、死に対するあこがれ? 外国人は死を下にすると思うが、日本人は死を上に持ち上げるのではないか? 仲蔵がやったような死の美化をする演劇は、外国にはない?」 #kabuki #nhk #
23:19 河竹「わたしが調べた限りではない」 #kabuki #nhk #
VTR「コクーン歌舞伎 三人吉三」(勘三郎さん)
23:20 河竹「芝居が身近すぎたので、趣味で見ている方が楽しそうだと思った」 #kabuki #nhk #
Na)歌舞伎作者を曽祖父に、演劇学者を父に持ったが、最初に目指したのは物理だった。
23:21 河竹「物理が好きだったのは、数式が美しかったから。それが芝居の美しさと共通していたと、後になって気づいた。歌舞伎を知ろうと思うと、海外のものを知らないと、と思った」 #kabuki #nhk #
河竹「だから、両生類なんですよ」
太田「われわれは、先生がおっしゃる物理の公式とか、歌舞伎の型に対抗できないんじゃないかと思う」
23:22 河竹「型から入って、型から出る。自分で膨らまして行かなければいけない。暫の隈取り、青いのは悪党、赤いのは正義、強さを表す」 #kabuki #nhk #
VTR「暫」(團十郎さん)
23:24 太田「欧米人が真似できないと思うのは、所作とか日本人は個を消すことを目指す。時代をを全部背負って表現する。個性を出したいと思うのが、全部もみ消されてしまう。それが悲しさでもある。大きな一つの役者をそれぞれの時代時代で作っていて、一人一人の個性は消えてしまう」 #kabuki #nhk #
23:25 河竹「個よりも典型。個を滅却する。女形はその典型だと思う。蕪木作者は”三親切”=役者・見物・座元に親切。作者に親切とはひとつも書いてない。三親切を守って、典型を作ることが作者の使命。だから型という典型を作る事につながる」 #kabuki #nhk #
VTR「弁天小僧」(菊五郎さん)
河竹「その時代の典型、人物のあるべき姿、それが型だと思う」
23:27 河竹「歌舞伎とは、人間の典型のドラマである。その時代のあるべき人間の姿を表現する。能は憂き世、あの世で生きようと考えた。歌舞伎は浮き世。どうせ死ぬならこの世で楽しく過ごそう」 #kabuki #nhk #
河竹「“憂い世”と“浮き世”が、日本の特徴だと思う」
河竹登志夫『
憂世と浮世―世阿弥から黙阿弥へ』
(NHKブックス)
23:27 河竹「現代は、浮き世」 #kabuki #nhk #
23:28 河竹「なぜか、次々に支える人が出てくる。そしてそれを応援するお客が出てくる。それが本質かもしれない」 #kabuki #nhk #
河竹先生、80歳を超えてなお、矍鑠なさっていて、ダンディでした。
お話の内容も、わかりやすく、かつ本質をついていて、さすがだと思います。