この展覧会、会期が3期に別れていて、第1期は12日までなので、今日を逃すともう見に行けないことにきづいたのであった。
浮世絵の歴史に沿って、各展示室に陳列されていた中でも、写楽をはじめとする役者絵や吉原の花魁を描いたものなどが、目当てだった。どれも状態がよく、展示数も多すぎず少なすぎず、いい感じだった。
そして、最後の展示室に、月岡芳年の芝居から題材を得た「松竹梅湯嶋掛額」の櫓のお七や、「船弁慶」を題材にした「月百姿 大物海上月 弁慶」、「安達原」を題材にした「奥州安達がはらひとつ家の図」、そしてあの小林清親の「東京新大橋雨中図」の実物が見られたのが、とてもうれしかった。
小林清親については、杉本章子さんがその名もズバリの小説『東京新大橋雨中図』(文春文庫)を書いている。
清親と杉本さんの作品を教えてもらったのは、中野翠さんのコラムだった。たぶん、『あんまりな』(毎日新聞社)ではないかと。
で、 清親の弟子の井上安治については、杉浦日向子さんが『YASUJI東京』(ちくま文庫)という作品を描いていて、それも芋づるで、一連として読んだ。
今回、清親の作品でもう1点「浜町より写 両国大火 明治四年一月廿六日出火」が展示されていて、これがまた、とてもわたし好みであった。
江戸の浮世絵を見に行ったつもりが、思いがけず明治の浮世絵師・清親の作品に対面できて、しかもずっと見たいと思っていた「東京新大橋雨中図」の実物が見られたので、がんばって行った甲斐があったというもの。
中期・後期にも芝居や役者絵はもちろん、清親作品も出るとのことなので見に行きたいと思っている。
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